Institutional investors and corporate carbon emissions
機関投資家と企業の炭素排出
R Wang
本稿は、機関投資家が企業の炭素排出を削減するかどうかに関する理論的・実証的議論をレビュー。排出削減やグリーンウォッシングの役割、投資家の異質性(所有割合、投資期間、ガバナンス能力など)が効果に影響することを示す。受動的投資家は実質的な圧力よりもレトリックに依存しがちであり、効果は条件付きであると結論づける。
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機関投資家と企業の炭素排出
R Wang
本稿は、機関投資家が企業の炭素排出を削減するかどうかに関する理論的・実証的議論をレビュー。排出削減やグリーンウォッシングの役割、投資家の異質性(所有割合、投資期間、ガバナンス能力など)が効果に影響することを示す。受動的投資家は実質的な圧力よりもレトリックに依存しがちであり、効果は条件付きであると結論づける。
炭素パフォーマンス、気候ガバナンス、および株式リスク
Malafronte Irma, Pereira John, Rakeeb Fathima Roshan
本論文は、炭素パフォーマンスと気候ガバナンスが株式リスクに与える影響を分析。S&P500企業の2009~2023年のデータを用い、炭素パフォーマンスの向上と気候ガバナンスの強化がそれぞれ株式リスク(総リスクおよび非系統リスク)を低減することを示した。ただし、両者の相乗効果は個別効果の合計より小さい。
カーボンクレジットの証券化の実現
Owain Johnson
本稿は、スタンダード銀行が主導した初のカーボンクレジット証券化案件の実行を詳述する。Camco社が中国などで展開するCDMプロジェクトから生じたCERをプールし、確実性の異なるトランシェに分割して販売。これによりCamco社は即時の資金調達を実現し、購入者は将来のコンプライアンス需要に備えたクレジットを確保できた。2008年の金融危機にもかかわらず成功した革新的な環境金融事例である。
グリーンファイナンスが炭素排出に与える影響:長江デルタからのエビデンス
Qingzhou Ma, Bai Lyu, Weidong Wang
グリーンファイナンス指標が1標準偏差増加すると炭素排出強度が平均比23.6%低下。媒介経路としてグリーン技術革新(約30%)と産業構造高度化(約7%)が寄与。工業汚染度の高い都市ほど削減効果が強く、低所得都市で効果が顕著。長江デルタ41都市の2010-2024年パネルデータを使用。
「One Health」アプローチはブルーカーボンプロジェクトに統合できるか?フィリピンからの視点
Jay Mar D. Quevedo
本論文は、マングローブや海草藻場などのブルーカーボン生態系が気候変動緩和だけでなく、人間と動物の健康にも貢献することを指摘し、One Healthアプローチの統合を提案する。フィリピンの事例を通じて、炭素貯留に加えて感染症リスク低減や漁業回復などの便益を強調することで、投資家の信頼と地域の受容性が高まると論じる。制度的連携や健康指標の主流化などの政策・研究の方向性も示している。
カーボンベータ:気候移行リスクエクスポージャーの市場ベース尺度
Joop Huij, Dries Laurs, Philip Stork +1
本論文は、気候移行リスクへの企業のエクスポージャーを評価する「カーボンベータ」という市場ベースの指標を提案する。パリ協定後の金融業界の気候リスク対応の課題に対し、株式市場データから算出可能な実用的な手法を提供する。
グリーンファイナンスが包摂的成長に与える影響の探求:アフリカ諸国からの実証的証拠
Djekonbe D.
本論文は、アフリカ諸国におけるグリーンファイナンスが包摂的成長に与える影響を実証的に分析する。グリーンファイナンスが経済成長と不平等是正に寄与する可能性を示唆する。
グリーンファイナンス改革と企業・銀行関係の再構築:中国からのエビデンス
Wu X.
本論文は中国のグリーンファイナンス改革が企業と銀行の関係に与える影響を実証的に分析。政策変更が融資行動や企業の環境パフォーマンスにどう作用するかを検討。
持続可能な金融商品の国連SDGs達成への貢献評価
Sharma R.
本論文は、グリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローンなどの持続可能な金融商品が国連SDGs達成にどの程度貢献しているかを評価する。枠組みの提案や実証分析を通じて、資本がSDGs関連プロジェクトに振り向けられるメカニズムを明らかにする。
環境裁判所と企業のグリーンファイナンス行動:中国の司法改革からの証拠
Zhang J.
中国の環境裁判所設置が企業のグリーンファイナンス行動に与える影響を実証分析。司法改革を通じて環境規制の執行強化が、企業の環境投資やグリーンボンド発行を促進することを示唆する。
グリーンファイナンス、金融包摂、および貿易調整後の炭素排出量:BRICST地域における持続可能な開発への道筋を解明する
Zaka R.
本論文は、BRICST諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、トルコ)を対象に、グリーンファイナンスと金融包摂が貿易調整後の炭素排出量に与える影響を実証分析する。持続可能な開発目標達成に向けた政策示唆を提供する。
ガバナンスとグリーンファイナンス:発展したアジアNDC経済と発展途上のアジアNDC経済の比較分析
Ashraf M.
本論文は、アジアの先進国および発展途上国のNDC経済におけるグリーンファイナンスとガバナンスの関係を比較分析する。気候変動対策の資金調達メカニズムと政策の有効性を検討し、地域的な示唆を提供する。
持続可能なグリーンファイナンスの推進要因:OECD諸国における国のリスクと貿易の視点
Wang R.
本論文は、OECD諸国におけるグリーンファイナンスの推進要因を、国のリスクと貿易の視点から実証的に分析する。マクロ経済的要因が持続可能な金融の展開に与える影響を明らかにする。
新時代のサステナブルファイナンス:計量書誌学とナラティブによるトレンド、テーマ、理論、革新
Rabbani M.R.
サステナブルファイナンス分野の研究動向をレビュー。学術文献の計量分析とナラティブからトレンドを抽出し、理論的枠組みや革新を整理している。実務への示唆も含む総合的な概観を提供。
フィンテック融資とサイバーセキュリティが炭素排出に与える影響の探求:グローバル分析
Uttam Golder, Nishat Rumaly, Meher Nigar +2
この研究は、フィンテック融資とサイバーセキュリティが世界の炭素排出に与える影響を分析しています。主な貢献は、これらの要因が排出量に与える影響を定量的に評価したことです。
農業企業の資金調達源としての炭素クレジット
Ruslan Motyl, Taras Tsiura
本論文は、炭素クレジットが農業企業にとって追加的な資金調達手段となり得るかを理論的・方法論的に分析する。5,000ヘクタールの農地を想定したシナリオ分析では、検証済み排出削減量やクレジット価格、MRVコストに応じて、純収入が1ヘクタールあたり0.83ドルから14.00ドルになると試算。炭素クレジットは単独の資金源ではなく、気候リスク軽減や持続可能な農業市場での競争力強化と組み合わせたブレンデッド・ファイナンスの一部として位置づけるべきと…
自然を基盤とした解決策のための資金調達の共設計:サラエボ学習サイトからの方法論的洞察
Asmir Kosovac
本稿はBIOFIN-EUプロジェクトのサラエボ学習サイトでの実践から、自然を基盤とした解決策(NbS)への資金調達を共設計する方法論を提示する。モジュミロ都市林を事例に、断片化されたデータシステムや規制の未整備などの障壁を特定し、協調構造の改善や民間投資のインセンティブを通じた対応策を提案。共設計プロセスがデータ・制度・関係者を整合させ、NbS投資の拡大に寄与することを示す。
新興市場におけるグリーンバンキング、倫理的コミットメントと持続可能な開発
Phan Khanh Duy, Thanh Tiep Le
ベトナムの銀行セクターにおけるグリーンバンキング実践が環境パフォーマンスに与える影響を、339名の従業員・管理者調査データとPLS-SEM分析により検証。グリーンファイナンスと知覚される倫理的コミットメント(PEC)が媒介効果を持つことを発見。政策関連活動は直接効果のみを示し、倫理的な信頼構築とグリーンファイナンスの組み合わせの重要性を提言。
カーボンオフセットの両刃の剣:健康とエネルギー正義に味方できるか?
Zdravka Tzankova, James Muchira, Carol Ziegler
本論文は、カーボンオフセットが途上国で不平等を悪化させる懸念に対し、米国内の低所得世帯向け省エネ、栄養改善、喘息患者のケアといったプロジェクトで排出削減クレジットを創出し、自主的炭素市場で販売することで、健康・公平性向上の資金源とする新たな枠組みを提案する。オフセットの国内適用による正の社会的便益の可能性を示す。
信用格付けの変更は企業の炭素排出量に影響を与えるか?S&P500からの証拠
Michal Wojewodzki, Mohamad H. Shahrour, Alireza Rohani +2
この研究は、2012年から2024年までのS&P500企業のパネルデータを用いて、信用格付けの変更が企業の炭素パフォーマンスにどのように影響するかを調査した。格下げは排出削減スコアの統計的・経済的に有意な悪化をもたらし、約1.8ポイントの低下があることが示された。一方、格上げは投資適格企業においてのみ排出パフォーマンスの改善につながる。これらの発見は、信用市場のショックが企業の環境戦略を形成する財務制約チャネルを示唆している。