やったこと
リクロマ株式会社のコラムは、カーボンニュートラル実現に向けた国内企業11社の具体的な取り組みを、施策カテゴリ別(エネルギー効率化・再エネ転換・サプライチェーン最適化・製品設計・廃棄物削減・人材教育・オフセット・新技術・規制対応・ステークホルダー協働)に整理して紹介した。
具体的な手順・工夫
企業ごとの取り組みと手法
エネルギー効率化 — ANAホールディングス
- 気象条件に基づいて高度・速度・経路を最適化する飛行計画策定
- 燃料消費量削減とCO2削減を両立
再生可能エネルギー転換 — NTTデータ
- データセンター使用電力の100%再エネ切り替えを推進中
- 2030年度にGHG排出量80%削減・2040年度にカーボンニュートラルを目標設定
サプライチェーン最適化 — ライオン
- 2013年からGHGプロトコル・Scope3基準で算定を継続
- 「使用段階」排出削減に貢献する製品開発に取り組む
- CDP「サプライヤー・エンゲージメント評価」でサプライヤー・エンゲージメント・リーダーを4年連続獲得
物流・輸配送のCO2削減 — サントリーホールディングス
- 地産地消による工場からの走行距離短縮
- トラックから鉄道・海上輸送へのモーダルシフト
- 共同配送・コンテナ共同利用など他社協調型物流
製品設計改善 — トヨタ自動車・グンゼ
- トヨタ:石油由来プラスチックをバイオプラスチックに代替
- グンゼ:リサイクルポリエステル・オーガニックコットン・バイオマスパッケージを採用
廃棄物削減・リサイクル — マルイ
- バリューチェーン全体で3R推進
- サプライヤーへの過剰生産・使い捨て削減の働きかけ
従業員教育 — 日立製作所
- 環境評価指標を役員報酬にリンクする制度を導入
- CO2削減へのコミットメントを経営レベルで義務化
カーボンオフセット — キューピー
- J-クレジットを活用してネットゼロ工場を実現
- 年間約3,680t-CO2排出量削減を目標
新技術開発 — 川崎重工業
- ごみ焼却施設排ガスからのCO2回収技術を実証中
- 固体吸収法によるCO2分離・回収 — 国内初の試み
規制対応・クレジット創出 — ENEOS
- 愛媛県久万高原町の森林管理でカーボンクレジット創出
- 地域・森林組合と連携した脱炭素社会実現協定
ステークホルダー協働 — ソニー
- 主要サプライヤー・製造委託先のGHG排出量を直接把握
- 温室効果ガス排出量の管理と削減を促進
得られた結果
- 各社が施策分野を絞り込み、まず1〜2領域で具体的な成果を出している(NTT: 2040年CN目標設定、ライオン: CDP最高評価4連続、キューピー: J-クレジットでネットゼロ工場、川崎重工: 国内初CO2回収実証)
- 「全部一気に」ではなく「領域を絞って実装→成果→次の領域へ」のパターンが共通
他社が参考にすべき点
脱炭素推進担当(製造業・流通・サービス業)向け:
- Scope3の「使用段階」削減には製品設計の変更が必要——ライオン・キューピーのように「どのカテゴリが大きいか」を先に算定し、製品設計・物流・調達の順で優先領域を決める。
- モーダルシフト(トラック→鉄道・海運)は中小企業でも取り組みやすい物流Scope3削減策——共同配送と組み合わせると初期投資なしで削減できる。
- J-クレジット活用(キューピー型)は削減困難な残余排出量のオフセットに有効——ネットゼロ工場認定のための最終手段として計画に組み込む。