実装のポイント
ダイキン工業・信越化学工業・日立製作所・東京エコリサイクルの4社は、業務用エアコン圧縮機に使用されるレアアース磁石(ネオジム磁石等)を回収・再資源化する国内初の産業横断循環スキームを構築した。レアアースは中国依存度が高く地政学リスクが大きいため、国内でのクローズドループリサイクルは資源安全保障と脱炭素の両面で重要な実装となる。
具体的な手順
各社の役割分担と処理フロー
ダイキン工業
→ 修理・オーバーホールに伴う業務用エアコン圧縮機の回収・技術情報提供
東京エコリサイクル(+日立が技術支援)
→ AI画像認識で型式を自動判別
→ ロボットで圧縮機を自動分解
→ 共振減衰脱磁技術で磁石を脱磁
→ レアアース磁石を取り出し
信越化学工業
→ 回収した磁石から新規レアアース磁石を製造
核心技術:共振減衰脱磁技術
磁石に交流磁界を与え、磁化の共振現象を利用しながら振幅を徐々に減衰させて脱磁する手法。これにより磁石素材を損傷させずに脱磁でき、再磁化して新規磁石として再生することが可能になる。
AI・ロボットの活用
業務用エアコン圧縮機は機種・年代によって内部構造が異なるため、分解手順が型式ごとに異なる。AI画像認識で型式を自動識別し、最適な分解手順をロボットに指示することで、手作業なしの自動分解を実現する。
トレーサビリティ管理
回収・分解・品質評価のプロセスを一貫したデータシステムで管理し、どの機器からどの磁石が回収されたかを追跡できる仕組みを構築する。
得られた結果・今後の計画
- 2026年中:自動化装置の開発完了
- 2027年:本格稼働開始
採掘から製造までのレアアース一次産出を抑制し、製品のサーキュラーエコノミー化を実現する。GHG排出削減への貢献度(レアアース採掘・精製工程の回避分)は今後定量評価される予定。